はんだは鉄板には付かない

われわれは通常、基盤に電気部品をさしてそのリードを基盤にハンダ付けする。その場合材質は主に銅(Cu)同士の接合だ。しかし鉄板にハンダ付けしようと思ってもうまくできない。

 

一般に、電子機器を扱う製造現場では作業者が自身の動作によって発生した静電気が帯電し電子機器に悪影響を及ぼさないように、帯電した電気をアースに落とす。具体的には手首にアースバンドと言う静電気対策用の器具を取り付ける、もしくは導電性の安全靴から床に対して静電気を逃す。静電用の床の工事は高額なので、鉄板を床に敷きそこから静電気を逃す。その鉄板にアース線をハンダ付けしようと思ったことがあった。しかしうまくいかなかった。フラックスをいくらつけてもはんだが濡れない(広がらない)。

 

調べると、金属の表面張力が関係しているらしい。はんだより表面張力が大きい部材に対してははんだが濡れる広がる。ただしその逆は不可だ。鉄板ははんだよりも表面張力が小さいためはんだが付かない。